粉瘤(アテローム)手術について

粉瘤(アテローム)の手術方法について解説しているページです。
粉瘤の手術にはどのような方法があるのか」「どの手術方法にどのようなメリットとデメリットがあるのか」「手術時の注意点や術後経過はどうか」など、粉瘤手術に関する情報をまとめておりますので、是非ご参考ください。
※ご来院をご希望の方は、お電話(0120-780-194)もしくはお問い合わせフォームよりご予約いただきますようよろしくお願いいたします。

本ページの目次

粉瘤は外科的な手術が必要な疾患です。(ご参考:粉瘤の治療法

しかし、「手術」となると不安に思われる患者様もいらっしゃいます。

そこで本ページでは、まずは患者様の不安を取り除くために手術の前に知っておきたいポイントをお伝えします。

そのうえで、手術の方法、術後の注意点、術後経過などについてお伝えしていきます。

粉瘤手術の前に知っておきたいポイント

手術の前に、診察によって手術の可否判断が行われる

治療にあたっては、そもそも患者様の症状が粉瘤なのかどうかという判断を行うための診察を受けていただきます。

この診察を経て、患者様にとって最善の治療方法を判断いたします。

患者様の不安を取り除くため、患者様に適した手術方法を選択するため、患者様にしっかりと手術のご説明をするために、当院ではこの工程を非常に大切にしています。

アイシークリニックでは日帰り手術が可能で、入院も不要

アイシークリニックでは、基本的に日帰り手術を行なっています。

ただし、粉瘤の摘出手術は炎症の有無や粉瘤の大きさによって、「日帰り手術が可能かどうか」「入院が必要かどうか」が判断されます。

炎症がひどい場合は、抗生物質の投与が必要になる場合もございます。

また、手術に局所麻酔ではなく全身麻酔が必要と思われるもの、悪性の可能性の高い腫瘍があると考えられる場合などは、提携先の総合病院や大学病院、癌センターなどを紹介させていただきます。

アイシークリニックの総合病院・大学病院との提携体制はこちら

粉瘤手術は保険適用が可能

粉瘤の治療にあたっては、診断、検査、手術、病理検査すべて保険が効きますので、費用面でも安心です。
公費なども全て適用されます。

また、医療保険に加入されている方は、手術給付金を受けられる場合もございます。

→詳しくは「粉瘤の治療料金」のページをご参照ください。

手術時間は5〜20分程度

当院では、数mm程度の小さな粉瘤の場合は5分程度で手術が終わることもよくあります。

そのため、診察後にその場でサッと手術でお取りすることが可能です。

一方、ある程度大きな粉瘤は、診察後に予約をお取りいただき改めて予約日に手術を行います。

ただし、大きい粉瘤であっても、手術は長くて20分程度で終了いたします。

手術時の痛みは全くありません

手術は局所麻酔をしてから行うため、痛みは全くありません。

局所麻酔を注入する際にほんの少し痛みを伴いますが、アイシークリニックでは麻酔の痛みを最小限に抑えるために極細の針を用いるなどの工夫をしております。

どうしても麻酔の痛みが怖いという方には個別に対応いたしますので、ご安心ください。

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以上、当院での手術を前提に、知っておきたいポイントや注意点をご説明しました。

続いて、当院の手術方法についてご説明します。

アイシークリニックの粉瘤(アテローム)手術方法

アイシークリニックでは、物理的にも精神的にも、できるだけ患者様の負担が少なくなることを第一に考えております。

その結果、どのような手術の流れを採っているか、どのような手術方法を採用しているかといった点についてご紹介します。

アイシークリニックは「くり抜き法」による粉瘤手術を採用

粉瘤切除の方法としては、「切開法」と「くり抜き法」の2つがありますが、当院は「くり抜き法」を採用しています

その理由は、切開法に比べて傷痕が小さくなること、抜糸の必要がなく患者様への負担が少ない手術法であることが挙げられます。

では、くり抜き法はどのような流れで行うのでしょうか。

くり抜き法による治療の流れ

①手術前に切除を行う粉瘤をペンでマーキング。

粉瘤くりぬき法による治療の流れの画像1

②局所麻酔を注射。

粉瘤くりぬき法による治療の流れの画像2

③トレパンと呼ばれる特殊なパンチで粉瘤に穴をあける。
※内容物を揉み出しながら手術することで壁も取り出せます。

粉瘤くりぬき法による治療の流れの画像3

④粉瘤を手術的に抜き取る。

粉瘤くりぬき法による治療の流れの画像4

⑤そのまま手術終了。または、縫い合わせる。

粉瘤くりぬき法による治療の流れの画像5

⑥傷の治りをよくする軟膏を塗り、透明シートで密封する。

粉瘤くりぬき法による治療の流れの画像6

1週間後、手術跡がほとんど目立たない粉瘤治療を目指しています

アイシークリニックは、患者様とじっくり話し合い、丁寧に診察した上で、患者様にとって最善な方法で手術にあたっております。

たとえば、くり抜き方法ではなく従来の方法で手術を行う方が良いと思われる場合には、そちらを優先いたします。

また、程度の小さな粉瘤でしたら、別日に手術を行わなくとも診察後にその場でお取りすることが可能です。

それよりも大きな粉瘤は診察後に予約をお取りいただき、改めて別日に手術を行います。

粉瘤の手術跡・傷跡について

続いて、「手術跡・傷跡の経過」についてご説明します。

①手術直後は、まだ傷跡が目立ちます。

粉瘤手術跡・傷跡についての画像1

②傷の治りをよくする軟膏を塗り、湿潤療法を取り入れています。

粉瘤手術跡・傷跡についての画像2

③1週間後、手術跡がほとんど目立たない治療を目指しています。

粉瘤手術跡・傷跡についての画像3

粉瘤というのは手術的にお取りするものなので、残念ながら全く傷が残らないということはありえません。

しかし、当院では傷跡がもっとも目立たない方法をご提案しております

目立たない傷跡をお望みの方は、是非当院までお問い合わせください。

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手術後の注意点

粉瘤の手術の後は、通常であれば抜糸まで通院の必要はありません。
また、数日は「血流をよくしない」ことが最も大切です

たとえば飲酒や運動、入浴には少し注意を払う必要があります。

飲酒・運動は可能か?

日常生活、通常の仕事は全く問題ありませんが、少なくとも3日程度、できれば1週間は飲酒しないほうが好ましいです。
飲酒すると明らかに傷の治りを悪くします。

また、出血の可能性があるため、手術当日・翌日の運動は控えていただきたいと考えております。それ以降は普段通りでかまいません。

ただ、関節部分に位置する粉瘤を治療した際には、サイズによってはもう少し安静を必要とします。

入浴は可能か?

入浴に関しては、手術当日は出血のリスクがあるため控えていただきます

また、翌日以降はシャワー浴にて石けんで傷を洗っていただいておりますが、お風呂・プールは清潔でないため、抜糸までの約1週間はシャワーのみでお願いいたします。(当日からシャワーは問題ありません)。

浴槽への入浴は、1週間後からであれば安心です。

※これらはあくまでも目安であり、「絶対禁止」というものではありませんが、傷の治りを早め、術後のトラブルを起こさないためにも重要なことですので、留意されることをおすすめします。

術後経過

手術の直後

当院での手術後は、ガーゼ、絆創膏、透明フィルムなどを貼ってご帰宅いただきます
必要に応じてドラッグストアなどで絆創膏・ガーゼを購入していただきます。
3~5日程度は血が出る、血がにじむのは通常のことですので、問題ありません。

なお、ガーゼ・絆創膏は、翌日などから適宜ご自分で張り替えてください。
血が染み出る、あふれるなど気になる場合は、はがしてしまっても問題ないでしょう。
はがした場合は、優しく石鹸で洗い綺麗にシャワーで流してもらっても構いません。

透明フィルムの場合は染み出した血があふれたり、かゆみがなければ、1週間貼ったままでも問題無いでしょう。(フィルムを貼った場合は、1週間程度ではがし、やさしく洗い、以後は絆創膏で保護してください)

術後3~5日後

傷からの血が滲まなくなってきます
その場合はそのまま絆創膏やフィルムを抜糸の時まで貼っておいてください。

なお、穴は術後2~4週間でふさがってきます。

傷は赤い状態が続きますが、内出血などは1~2週間程度で吸収されます。

術後2~4週間以降

治る過程で、人によっては傷が「しこり」のように硬くなることがあります

これは傷が治る過程の通常の反応であり、「できものの再発」ではありません

月〜年の単位で落ち着いてきます。

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※ここから、やや専門的な内容となります。
(別ページをご覧になりたい方は、下記がおすすめです)

粉瘤とは

粉瘤の治療法

粉瘤の治療料金

粉瘤治療の診療科

粉瘤(アテローム)の傷の治り方

第一期 炎症反応期

粉瘤の治療によってできた傷は具体的にどう治癒していくのでしょうか?

粉瘤の治療では、内包物を除去するため皮膚の一部が少なからず損傷を受けます。
組織が破壊され、欠陥も断裂すると、出血が生じます。
そこで血液中の血小板は、真皮を構成する膠原繊維(コラーゲン)と結束し活性化を進めます。
活性化した血小板から放出される凝固因子のはたらきで、血液を構成する成分のひとつであるプロトロンビンはトロンビンに変質し、トロンビンがフィブリノーゲンをフィブリンに変えます。
このフィブリンの助けで血小板や赤血球が結びつき、血栓ができると、止血が始まります。
俗に言う瘡蓋(かさぶた)がこれです。

つまり、我々の血液中には様々な凝固因子が不活性の状態で存在しており、それらが皮膚の損傷をきっかけに活性化の連鎖反応を起こすことで、我々は瘡蓋をつくり、粉瘤の傷を自力で治すことができるのです。
この自然治癒の現象を「血液凝固のカスケード」と呼びます。

第一期炎症反応期で実感する諸症状としては、

①浸出液で組織が腫れる(腫脹)
②毛細血管の拡張で赤みが増す(発赤)
③組織反応で熱を生じる(発熱)
④末梢神経が刺激されて痛みを感じる(疼痛)

の4つがあげられます。

「炎症の4主徴」と呼ばれるこれらは、受傷後4-5日の間に見られ、正常な創傷治癒の過程では避けては通れない現象です。

炎症という言葉で思い浮かべるのは細菌感染や化膿が多いかもしれませんが、この4つにかぎっては、傷痕の目立たない粉瘤治療をするうえで大切な生体反応となってきます。

第二期 増殖期

第一期炎症反応期で活性化した血小板は、凝固因子以外にも色々な化学物質を放出しました。
また破壊された細胞内でも損傷をきっかけとした連鎖反応が起こり、ここでも多量の化学物質が発生します。
これらの化学物質が傷の周囲の組織に「異変が起こった」ことを伝達し、組織はそれを受けて毛細血管を露出させる隙間をつくり、血管から浸出液を傷口へ運びます。
浸出液の正体はリンパ球、多核白血球、単核白血球で、創傷治癒において大変重要な役割を果たします。
特に単核白血球は破壊物をとりこむことで貪食細胞(マクロファージ)となり、これが第二期増殖期へつづく鍵となります。

貪食細胞の活性化は線維芽細胞を呼び寄せます。
また、ここでは傷を修復するとき主な材料となる膠原線維(コラーゲン)も生成されます。
失った血管を新生させるための指令も出され、創傷治癒が一気に進みます。
膠原線維(コラーゲン)に支えられて毛細血管が発達し、血液を媒介して栄養や酸素が線維芽細胞へ供給されると、さらに膠原線維(コラーゲン)を増殖させようとする治癒サイクルが誕生します。
このように欠損部を埋めていく線維芽細胞、毛細血管、膠原線維(コラーゲン)の三者を合わせて肉芽組織と呼びます。
そしてこの肉芽組織がじょじょに真皮に近い状態へと成長していく段階が、別に瘢痕組織と名付けられています。
肉芽組織が瘢痕組織に変化し、皮膚が生命を守る盾として正常に活躍できる状態になるまでには2-3週間かかります。

第三期 安定期

線維芽細胞のはたらきが落ち膠原細胞(コラーゲン)の生成が少なくなると、安定期にはいります。
安定期では膠原線維(コラーゲン)の生成と分解がひとしく行われていますが、仮にこのバランスが崩れると、傷口はまた開いてしまいます。
これを予防するためにはビタミンCを欠乏させないなどの注意が必要です。

こうして再生した組織は、真皮にはなりません。
瘢痕組織は瘢痕組織として表皮の下に残ります。
瘢痕組織はコラーゲンの配列が不規則なので、表皮を通して見たときでも普通の皮膚とは少し違って見えます。
これがいわゆる傷痕です。
つまり、我々が創傷治癒後に気にする患部の凹凸だとか色素沈着だとかは、表皮の問題ではなく真皮レベルの問題だということです。

傷痕を目立たせない粉瘤治療のポイントとは、まず受傷する傷自体を小さなものに留めること
そして、瘢痕組織は永久になくならないものとして、これを本物の真皮に近付ける努力をすることなのです。

粉瘤(アテローム)の術後の傷痕(瘢痕)について

「傷痕」とはなんなのか?

粉瘤であってもそのほかの病気であっても、治療後に傷痕がどれだけ残るかどうかは皆さん気になることです。
そして傷痕が派手に残ってしまった場合、追加の修正手術でそれは消えるのかどうかも懸念点となるでしょう。

しかし、この傷痕という言葉は医者と患者さんとの間でイメージにギャップがあるようです。
傷痕は医学用語で瘢痕(ハンコン)と呼びます。
粉瘤の治療で傷付いた皮膚には線維組織が新生し、治癒に向かいます。
この線維組織が瘢痕であり、瘢痕は真皮に変化することなく残ります。

しかし患者さんが傷痕という言葉を口にする場合、それは瘢痕の中でも特に目立つものを傷痕と呼んでいます。

皆さんに知っておいていただきたいのは、いったん皮膚が受傷すればその傷痕を完全に消し去ることはできないということ
したがってその傷痕を出来る限り目立たなく再生させることが、創傷治癒において大切であると言えます。

ふたつの傷痕

肥厚性瘢痕

瘢痕組織とは、破壊された組織同士をくっつけるボンドのようなものです。治ったように見えた傷が1-2ヶ月ほど経ち、みみずばれのように赤く盛り上がってきたら、残念ながら体質などで瘢痕組織が過剰に生成された結果、皮膚表面にあふれてきてしまったものと考えます。これを肥厚性瘢痕と呼びます。肥厚性瘢痕はある程度は数ヶ月~数年単位で自然と吸収され、平らに白く落ち着きます。こうなるともうほかの正常な皮膚との境目も曖昧になり、患者さんの言うところの傷痕ではなくなります。

ケロイド

まれにこのみみずばれのような傷痕がいつまで経っても消えず、むしろ正常な皮膚を浸食してまでその範囲を広げてゆく場合があります。
こうして増殖する傷痕をケロイドと呼びます。
つまりケロイドとは、傷を治そうと活性化した瘢痕組織が生産のコントロールを失い、無制限かつ無軌道的に増え続ける状態のことなのです。

ふたつの傷痕の原因

じつは、肥厚性瘢痕とケロイドを明確に区別することは専門家にも困難です
その治療法は共通であり、原因にいたってはいまだはっきりとは解明されていません。
しかし生じやすい条件としては以下のようなことがあげられます。

① 白人には少なく、黒人に多い。黄色人はその中間である
② 化膿した傷はケロイドになりやすい
③ 皮膚が引きつられる部位(首、肩など)はケロイドになりやすい
④ 成長期の子どもの皮膚はケロイドになりやすい
⑤ 皺を横切った傷はケロイドになりやすい

また、ケロイドは人によってなんら損傷を受けていないにも関わらず発症することがあります。肩や胸に赤い膨らみを生ずる場合が多く、これは体質によるものです。

ふたつの傷痕の治療法

ケロイドの症状で最も苦しめられるものは痒(かゆ)みです。
みみずばれのように赤く盛り上がり広がっていく成長段階がいちばん強い痒みを起こします。
痒みは体があたたまる睡眠中などにピークに達しますが、無意識に掻くと化膿したりするので注意が必要です。
ケロイドの特効薬はなく、現代医療ではレスタミン軟膏などの痒み止めで対処します。
治療法としては以下があげられます。

①手術療法

ケロイドをまるごと切除し、周囲の皮膚を縫合します。
広範囲であれば皮膚移植を行いながら再発を防ぎますが、この手術で生じた縫合の傷がまたべつのケロイドになる可能性があります。

②放射線療法

電子線を数回から数十回に分けて照射します。
初期のケロイドには有効ですが、できてから時間の経ったものには効きがよくありません。
また後遺症として皮膚障害や色素沈着がおこるおそれがあります。

③ステロイド注射

ステロイド(副腎皮質ホルモン)をケロイドに直接注射します。
効果は高いですが、十数回から数十回繰り返さなければならないのと、強い痛みが伴います。
まれに皮膚が薄く凹んでしまう副作用もあります。
注射のほか、ステロイド入り軟膏や絆創膏もあります。

④圧迫療法

ケロイドをスポンジと絆創膏で強く圧迫します。
手軽さのわりに効果は高いですが、数ヶ月から半年の間これを続ける必要があります。
テープを使うので、皮膚の弱い人は注意しなければなりません。

⑤内服薬

リザベンという薬が現在唯一効果のある内服薬です。
もともとは喘息の薬ですが、喘息とケロイドとの間で発症メカニズムに共通点があるため使用されます。
傷痕を消し去る効果には乏しいですが、痒みをおさえることに関しては優秀で、副作用もほとんどありません。

どの方法も一長一短であり、かならず治るというものでないのは事実です。
しかしそれでも現代医療は昔と比べて確実な進歩を遂げています。
これらの治療法を症状によって使い分けたり、あるいは組み合わせたりしながら、傷痕を少しでもよくすることができるのです。

「切開法」と「くり抜き法」の具体的な方法(ご参考)

最後に、上述した「切開摘出法」と「くり抜き法」の2つについて、具体的な方法をご説明します。

くり抜き法

  1. 消毒後に1%エピネフリン入り塩酸リドカインで局所麻酔を行います。
  2. 直径2mm~5mmのトレパン(くり抜きを行う器具)を用いて嚢腫の頂点をくり抜きます。毛孔性陥凹(へそ)がある場合はそこを中心とします。皮膚割線を考慮することも傷痕を小さくするポイントです。
  3. 嚢腫(粉瘤の袋)の内容物を揉み出しながら、サイズダウンを図り嚢腫壁を周囲より剥離して摘出します。
  4. 嚢腫壁が残存していないか確認します。残存していれば鋭匙などを用いて掻爬して取り残しがないようにします。
    生理食塩水で十分洗浄します。
  5. くり抜いた穴は縫合するか、縫合を行わない場合は硫酸ゲンタマイシン軟膏などを塗布して湿潤療法(wet dressing)を行います。縫合する場合は、真皮縫合(埋没縫合)と皮膚縫合を行います。
  6. くり抜きを行うための穴の大きさは、粉瘤の大きさや執刀医の技術によるため、専門的なクリニックで手術が望ましいです

切開摘出術

  1. 消毒後に1%エピネフリン入り塩酸リドカインで局所麻酔を行います。
  2. 皮膚割線や患者の希望も考慮して皮切の長軸方向を決め切除範囲をデザインします。粉瘤の外縁を円形にデザインし、粉瘤の外縁よりやや大きめに紡錘型に切開します。紡錘形切除では、Dog ear(余った皮膚が盛り上がること)が生じないように長軸の長さは粉瘤外縁よりやや大きめにすることになります。
  3. メスで皮切を加えて嚢腫壁に達したら、紡錘形に切除した皮膚は腫瘍に付着させたまま、嚢腫壁を破らずに摘出することで完全摘出が可能となります。
  4. 十分洗浄後に嚢腫壁の取り残しがないことや止血を確認して閉創を行います。この時、数mm程度外反隆起するように埋没縫合を行い、皮膚はナイロン糸やステリーストリップで縫合します。
  5. 抜糸は7日〜14日程度で行います。切開摘出術の場合、傷痕にDog ear(傷の辺縁の盛り上がり)を無くすためには、傷の直径を長くする必要があり、傷の長さを長くするのか、dog earを無くすのかが外科医の判断によりますが、どうしても傷跡は大きくなります。

※切開摘出術の注意点としては、炎症を起こした粉瘤の治療のために、ほとんどの施設では切開排膿術を行う場合が多いことです。
この場合、メスで切開は行っていますが内容物を排出しているだけで、嚢腫(粉瘤の袋)は切除はできておらず残っているため、再発の可能性が高くなってしまいます。

自分の手術が切開排膿術(内容物を出すだけの手術)なのか、根治手術である切開摘出術(嚢腫を摘出する手術)なのかについては、確認することが必要です。

炎症性粉瘤の治療

上記のため、炎症性粉瘤の場合は十分に抗生剤で炎症を抑えたり、くり抜き法や切開摘出術を用いた一期的な手術の後に炎症性粉瘤が皮下で縮小して嚢腫壁が瘢痕化したタイミングで、皮下の瘢痕組織を二期的に一塊に切除することが望ましいです。

一期的な手術のみでも再発なく完治することも多く、判断が難しい場合は粉瘤手術の専門医師の診察をお勧めします。

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